ニッケイ新聞 2006年8月11日付け
サンパウロ総領事館(西林万寿夫総領事)は九日、定例記者会見を開き、今年上半期の治安状況と安全対策上の留意点を説明した。総領事は「例年に引き続き誘拐事件、薬物取引が増加している」と説明。一連のPCCの暴動事件に関して、「いつまで続くか見通しがつかないが、今後ともフォローをしていく」とした。総領事館側は「事件に遭ったら、すぐに連絡して欲しい」と呼びかけている。
西林総領事の話によれば、上半期の特徴は、誘拐事件、薬物取引が増加傾向にある。五月に発生したPCCの暴動も、「毎月一回のように騒ぎになっており、この凶悪な事件がいつまで続くかわからない」。 対策としてはテレビの報道に留意し、不要に政府、警察施設に近寄らないようにする。
邦人関連としては、空港からの帰宅直後に狙われる拳銃強盗事件が増えている。特に自動車運転中に拳銃で襲われる事件が増加傾向だという。「アルジャ市のゴルフ場へ行く道が危ないと聞いた」と注意を促した。
昨年減少した振り込め詐欺事件が、今年また増えている。手口は劇場型で幼稚単純。ポルトガル語で騙すケースも増えてきており、具体的には交通事故を装った事件が多い。
気をつける点として、すぐにお金を振り込まず、まずは家族親戚に確認する。
警備班担当の清水俊昭領事は、多発する拳銃強盗事件に関して「日本人だけでなくブラジル人も狙われている」とし、特にノートパソコンなどは、外に見えないようにして欲しい、と助言した。
また、赤信号で停車中に強盗に遭うケースが多い点にふれて、「窓を閉め、なるべく徐行距離を長くすることが大事」と説明した。
領事館側は「事故にあったらすぐに通報してほしい。匿名、秘密を徹底しています」と呼びかけている。