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味の素、リジン工場もう1つ=ペデルネイラスで披露=好立地条件を得て=中国などへの輸出強化

2006年8月8日付け

 味の素(山口範雄代表取締役社長)は四日、地元関係者などを招いてサンパウロ州ペデルネイラス市の新工場の披露式をおこなった。味の素インテルアメリカーナ(有、酒井芳彦社長)および味の素ビオラティーナ(有、同)の新工場は、飼料用リジンを生産、主として中国、米国、欧州に輸出する。生産能力は年六万トン、九七年に操業を始めているバルパライゾ工場と合わせ、ブラジルだけで年十三万トン以上の生産ができる。
 日本からは山口社長が直接駆けつけたほか、日本国大使館の大竹茂公使、西林万寿夫聖総領事、クラウジオ・レンボサンパウロ州知事代理のマリア・エレーナ・ギマランエス氏、イヴァナ・マリア・ベトリーニ同市市長らが出席した。
 記念セレモニーのあと、参加者はマイクロバスに分乗して同工場を見学した。午後からは昼食会が催され、来賓がそれぞれ祝いの言葉を述べた。
 サンパウロ州で五つ目となる同社の工場は、サンパウロ市から約四百キロ程離れた広大なサトウキビ畑の中に位置し、その様相は宮崎駿監督作品の「ハウルの動く城」を彷彿させる。飼料用アミノ酸リジンの生産工場としては、九七年、サンパウロ州バルパライゾ市に建設された工場に次いで二つ目。
 建設費用は八千六百万ドル(約九十五億円)。総敷地面積は二百五十万平方メートルで、工場の部分だけでも二十七万平方メートルを占める。年間の生産量は六万トンが見込まれ、主に米国、中国、欧州などへ輸出される。
 ミヤモト・ジュリオ経営顧問は同地への新工場建設の理由を、流通の便に優れている点や、リジンの主原料となるサトウキビの供給が容易である点を挙げている。また総合大学を抱えるバウルー市から優秀な人材を採用できる環境も大きいとしている。
 現在、同工場には従業員が百二十人、契約社員を含めると千二百人を超える。イヴァナ市長は、同社の新規工場の建設に関して「環境的な心配が多少あるにせよ、雇用を生み、将来的には税金収入も期待できる。大いに歓迎したい」と話している。