コラム
先日行われた藤間流日舞学校創立四十五周年のディナー舞踏会。スーツや着物といった『正装』に身をつつんだ紳士、淑女の関係者が多く集ったと、・・・そう思った。
終始厳粛な雰囲気の中で幕を閉じた日舞の舞台。四十五年を積み重ねた舞を食い入るように見ていた「お客様方」。
後には来賓祝辞と会主のあいさつ、乾杯、そしてディナーという流れだったが「カシャ、カシャ」。幕が閉まるや否や、舞台上での挨拶をそっちのけで目の前の料理を食べる、食べる。記念のケーキカットも知らん顔。
「長い挨拶にうんざりするのもわからなくはない」。そう思えばどっちもどっち。けれども「人が話しているときには、手を休めて話を聞く」のが常では?
伝統ある日舞の集まり、会主を囲む祝いの席だっただけに、やるせない。 (稲)
2006/08/08
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