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ヴァリグ運航停止で大混乱=足元見て他社は便乗値上げ

2006年8月4日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙一日】ヴァリグ航空が独自再建をあきらめて身売りを決定したことで、運航を全面的に取り止めたため、空の足は大混乱となっている。とくにサンパウロ国際空港は、国際線の座席を確保する乗客で殺気だった異様な雰囲気に包まれている。
 これを受けて各航空会社は足元を見て便乗値上げを軒並み実行している。さらに利用客が殺到していることで、八〇%以上のオーバーブッキングの有様で、法外な値段の航空券を購入しても座席確保ができない状態になっている。また、これまで旅行代理店や観光ツアー会社に割引航空券を配布していたが、需要の急増ですべて廃止となった。これによりパックツアーが組めない業者が多く出ている。
 国際路線の値段は、サンパウロ―マイアミ間往復で七五〇ドルから八〇〇ドルだったが、ここにきて一五〇〇ドルにハネ上がった。サンパウロ―マドリッド間は九五〇ドルから一二〇〇ドルへ、サンパウロ―ロンドン間は一一〇〇ドルから一五〇〇ドルへ、パリ往復は一二〇〇ドルだったのが、一五〇〇ドルから一九〇〇ドルへの闇値が横行している。これに対し、民間航空局は何ら介入の動きを見せていない。
 ブラジルから出発する国際線はヴァリグがほとんど独占していたため、ライバル会社にとっては千載一遇のチャンスとなった。ルフトハンザ航空はサンパウロからブエノス・アイレス向けとサンチャゴ向けの便に旅行代理店への便宜価格を廃止した。エールフランスとKLMはヨーロッパ向けの便で八四%以上のオーバーブッキングとなっており、ウェイティング・リストに入っても早くて九月の便しかないという。
 TAMはヴァリグ航空が六月に八〇%の運航を停止して以来、国際線の需要が六九%から七五%、GOLは六一%から六七%へと上昇した。国内線でもオーシャン・エアーが北東部向けに増便、さらにクリチーバとポルトアレグレ向けに定期便を増やした。
 ルフトハンザは九月にミュンヘン行を増便、エールフランスは十一月にパリ行二機の増便を決定している。BRAは七月からマドリッドとリスボン行の定期便を就航させた。