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原油価格100ドルへ?=燃料の自給体制確立急げ

2006年8月2日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十六日】イスラエルとレバノンの紛争により、原油は八月渡しからバレル当たり八〇ドルになった。原油の埋蔵量は六五%が中東にあるので、同地域が不穏な間、原油価格が一〇〇ドルに達するのも時間の問題とする見解をサンパウロ州工業連盟(FIESP)が表明した。
 湯水のように消費した原油八五〇〇万バレルの時代は終わる。もし原油の下落があるなら、それは誰もが怖れている世界経済の不況到来である。原油価格の変動は、レバノン紛争が休戦になっても慢性化する。夏が終わり、石油消費の増加期に入るからだ。
 ブラジルは、大統領選が終わるまで原油の高騰を消費者価格に反映しないとペトロブラスがいう。またガソリンにアルコールを混入することで、価格調整は避けられる見込み。労働者党(PT)政権発足以降の価格調整は、ガソリン一二%、ディーゼル二一%、ガス二三%であった。
 国際価格の原油暴騰によるガソリン高騰は同時期、一五%に上がっていた。燃料の価格調整はジョルナル・ナショナルの第一ページに発表するので、政府は調整に神経を使った。
 クレジット・スイスが、ブラジルの原油生産は二〇一〇年に日産二四〇〇万バレルに達すると発表した。消費は同時期に年三%の増加。当局は自給体制に入ったというが、原油の貿易収支は赤字だという。
 ブラジルが自給体制に入るためには日産五〇万バレルの原油を採掘しないと毎日二〇万バレル不足する。不足分の三〇万バレルは、エタノールを生産しなければならないという計算だ。一九九九年は消費の半分を輸入していた。
 二〇〇六年五月までの燃料の貿易収支は、ボリビアのガスや液化ガス、ナフタ、ディーゼルを入れて二一億ドルの赤字である。ブラジル産原油と石油製品の輸出が三七億ドル、輸入は五八億ドルであった。
 ブラジルに一七〇万台のフレックス燃料車がなかったら、年間一五〇〇万トンの二酸化炭素を空中に排出し、市民は呼吸器障害を起こすという試算である。米国は地上最大のガソリン消費国で、ガソリンが値上がりする毎に政策金利を引き上げていた。
 ブラジルでは原油の国際価格にインフレが連動していないし、基本金利をリンクした形跡もない。気になるのは、中東紛争の行方である。先進国経済は中東情勢に影響されない基盤を持っているし、市場も動揺しないようだ。