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国家予算に吸い付く蛭ども=救急車汚職=首魁が実態暴露=編成時に取り分折り込む=CPI委員にも盗賊交じる

2006年8月1日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙三十一日】救急車汚職マフィアの首魁とされるPIanam社のダルシ・ヴェドイン容疑者は三十日、連邦警察が二〇〇五年十二月から疑惑を内偵していたことを知っていたとサンゲスーガ(蛭)CPI(議会調査委員会)で証言した。同件が明るみに出たのは〇六年五月であった。救急車スキャンダルに関与した議員の多数が、事態の悪化を恐れて事後処理の相談に来たと供述した。同疑惑に関与した救急車販売企業は十八社。関与した市は四九三市。国家予算に吸い付いた蛭の大群と予算不正入手のカラクリを同容疑者が暴露した。組織が水増し請求した額は、一億一〇〇〇万レアルが目下判明。
 連警が五月六日、救急車ゲート関与議員の身柄を拘束し始めたことで、灰色議員はゴキブリの大群のように右往左往した。蛭CPIはクイアバ市で秘密聴聞会を行った。同容疑者は連警の手入れを阻止するため、最高裁へ人身保護令の適用を働きかけたことを証言した。
 国会議員がらみの事件であるため最高裁扱いにし、議員特権に便上して連警から逃れようとしたようだ。身柄拘束中の同容疑者は、多数議員の疑惑関与を示唆しながら議員の氏名公開を拒んだ。身柄釈放を条件に公開するという。
 CPIをクイアバ市で行ったが、何故ブラジリア市で行わないのか。それは、裁く側のCPI委員の中にも盗賊の一味が多勢交じっているからだと同容疑者はいう。同人は捜査協力と減刑を条件に釈放された。またCPI委員にブラジル国家予算のカラクリについても公開した。
 国家予算法という法律は抜け穴があり、国家予算を横流しするために創られたようなものだという。来年度予算は財務省管理職が必要経費を計上し、予算編成を行う。そのとき上議や下議は、予算補足案を予算委員会へ提出し、必要経費に入れてもらう。最終的な来年度予算案が上程され、承認される。
 魚の配布は猫たちが行う。国会の予算委員会は猫の集まり。予算編成期になると、救急車販売業者やロビイストという泥棒猫の国会巡礼が始まる。業者にとって予算編成期はかき入れ時。救急車ばかりでなく、薬や医療器具、橋、アスファルト、何でも政府に売り込みたければ、予算編成期に行くことだ。
 予算委員会が腐りきっているのに、救急車だけが俎上に上がるのはおかしいと、同容疑者は抗議する。最終予算案を国会へ上程するとき、議員と業者の山分け分は談合済みである。議員が提出した予算補足案には、予算が交付される地方自治体や市長の取り分、指定業者も折込済みである。
 同容疑者によれば、泥棒を上議に選んだのが間違いの始まりだという。国会議員の大部分が、予算編成で国家資産をネコババするため代議士になりたがるのだと述べた。
 Planamからリベートを受け取った議員だけで、全議員の八三・三%を占める。その他の業者扱いの不正関与はまだ明るみに出ていない。リベートはラランジャ(名義賃貸人)の口座で受け取ったり、現物や現金で受け取った者もいる。