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インフレ抑制の実感低く=出費かさむ中産階級=サービス、新製品など影響大

2006年8月1日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙三十一日】過去数カ月間でインフレが大幅に抑制され、またはデフレに転じている中、中産階級層ではその影響が及ばず、相変わらず出費がかさんで家計がひっ迫していることが調査で明らかになった。
 ブラジル地理統計院(IBGE)によると、今年一月から六月までの上半期の広範囲消費者物価指数(IPCA、インフレ率算出の基)でデフレとなったのが加工食品(三・二二%)、家電製品(四・九%)、工業製品(一・七五%)などで、これに対しインフレとなったのが、個人サービス(二・八六%)、健康保険プラン(六・五六%)、理髪(二・四二%)、美容アカデミー(三・七八%)、自動車修理(三・八六%)などとなっている。
 これにより、いわゆるエンゲル係数(食費が収入に占める割合)が高い貧困層は食料品価格の下落でデフレを実感するが、そうではない中産階級層にはピンとこない。
 ジェトゥーリオ・ヴァルガス財団の経済研究グループが初めて中産階級層にスポットを当ててインフレ指数を明らかにした。国民所得は最低賃金の三十三倍(一万一五五〇レアル)までが九〇・七%を占めるが、最賃の十八倍から二十五倍(六三〇〇レアルから八七五〇レアル)までを中産階級と位置づけ、これが一〇%の割合となっている。
 二〇〇〇年から〇三年までの三年間に、十五品目の消費は平均一七%から二一%へと上昇したのに対し、中産階級では二五%に達した。この中には二〇〇〇年には統計がなかったダイエット食品、携帯電話、DVDなど、この階層ではポピュラーとなっている新製品が含まれている。これに要する経費である個人サービス、外食、インターネット代、有料衛星テレビ代の値上がりが家計を締めつける要因となっている。
 有料衛星テレビは一般国民平均で〇・〇五%から〇・五八%に増加したのに対し、中産層では一・八%だった。またガソリン、個人サービス経費、外国語カルチャーがそれぞれ三・三二%、〇・八三%、〇・八二%だったのに対し、中産層ではそれぞれ五・四九%、一・一二%、〇・四八%と比重が高かった。