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救急車汚職=新たな疑惑発覚=仕掛人が司法取引=PT執行委員など告発

2006年7月26日付け

 【エスタード・デ・サンパウロ紙二十五日】保健省を舞台としたいわゆる救急車スキャンダル事件で、連警が秘密捜査の方針を立てて情報公開に踏み切っていない中、仕掛人のプラナン社の経営者が、PT議員をはじめとする灰色議員の立件の証言を行ったことが明らかになった。
 同経営者は証言を行うことで自身の罪を軽くする、司法取引に応じたもので、立件に必要な証拠物件も提出したという。
 いっぽうでCPI(議会調査委員会)はこれまでの調査で、疑惑議員は一一二人に上るとし(現職一〇〇人、元議員十二人)、その八〇%の疑惑の確証をつかんでいるとしている。これにより八月中に報告書をとりまとめ、一件ずつ調査していくとの方向性を示している。
 関係者によると経営者の証言で新たに疑惑が発覚したのは労働者党(PT)アマパ州支部長、ルーラ再選に向けて同州の選挙参謀を務めるノゲイラ・サンタナ市長(元下議)で、二〇〇三年から賄賂を受取っていたという。
 同市長は下議時代にオーバーインボイスの予算を申請して、見返りに一〇%を受取っていた。この年に立候補して当選を果した市長選の費用に当てたという。その資金の流れや証拠物件は、マット・グロッソ州地裁に提出されたと伝えられている。
 経営者はこれまでPTの中央執行委員の告発も行っている。主なところでは、コスタ元保健相、その当時の筆頭秘書のアルベス氏、セアラ州支部長シリーリョ元下議、マット・グロッソ州地盤のグランドン下議、同州のセリス上議、ピアウイ州ジアス知事となっている。名前が挙った議員らはことごとく容疑を否定している。
 これに対しベルゾイーニPT党総裁は、今年の総選挙を狙った、一部マスコミの悪意に満ちた報道だと非難している。しかし関係者は、明らかにPT政権になってから発生した汚職であり、PTとしても事実を明白にすべきだと指摘している。