ニッケイ新聞 2006年7月26日付け
八十周年を迎えた第二アリアンサを訪ねた。
ふと、移住地の歴史と人の一生とを重ねた。赤子のように何も分からず原始林の開拓に挑む幼少期、そして青年から壮年期を経て、移住地が町になっていく。
百数十を数えた日系家族は、現在三十数家族。出た人がいて、残った人がいる。そして今がある。様々な人生を抱えながら、それでもみな「故郷」を訪れる。式典会場のいたる所に、数十年ぶりの再会があった。
移住地に電気が通ったのは六〇年代のことだ。自分の歴史が町の歴史でもある第二の人たち。そのことにある種の羨ましさを感じながらも、決して平坦な道のりではなかったろうと想像する。
消えた移住地も多い中、八十年を刻んだ第二。人で言えば老境かもしれないが、その一方、舞台で一生懸命発表する日語校生徒の姿に、未来を感じもした。(ま)