ニッケイ新聞 2006年7月22日付け
ブラジル最大規模の歌のイベント、第二十一回ブラジル選抜歌謡大会(有江テツジ実行委員長)が二十一日午前九時、文協大講堂で開幕した。三日間をかけ、地方予選を勝ち抜いた全伯二十四団体、七百二十八人が練習の成果を競い合う。サンパウロ市内にあるカラオケ四団体、聖南協会、聖北文化体育連合、聖西地区、聖東協会の共催。運営に携わるブラジル歌謡連盟(ABRAC)の西森アケミ会長代理は、「是非みなさん聞きに来てください」と呼びかけている。
ABRAC副会長で審査委員長でもある島田正市さんは「各地で勝ち抜いてきた出場者に惜しみない拍手を」と初日に開会宣言。来賓や関係者を招いた開会式は二十二日午前十一時に行われる。
ちびっ子、童謡、青年、大人、ベテラン、ポップの各部門別に過去最多の七百二十八人が参加。二十二、二十三両日の開始時刻は朝八時。三日間で四十時間を超える〃歌のマラソン大会〃だ。
地方予選も含め、五千人を超えるとも言われる全出場者にとって、この選抜大会のステージはまさに夢の舞台だ。
「出るのも大変だけど、裏の仕事が大変」。一九八七年の第二回大会(プ・プルデンテ)でグランプリの栄冠に輝いた西森会長代理は、現在大会運営に奔走する。
開催予定地の視察、審査員会議、食事、音響、記録など百人以上が華やかな舞台裏を支える。今大会後、次回開催地の選考に早々に取り掛かる予定だという。
十二年間ABRAC会長を務め、現在顧問の折笠力己知さんはいう。「歌を歌い、聞くのはコロニアの楽しみ。遠くから来る昔から仲間に会えるのも楽しいですよ」。
初代会長、広岡栄吉さんは、十五年ぶりに大会に顔を見せた。八六年の第一回大会(ロンドリーナ)は、二百七十人の参加だったという。「規模が大きくなって、お祭りみたい」と笑顔で会場を見回した。