26日のジウマ大統領(労働者党・PT)の再選を受けて、15年以降の議会運営が注目されるが、PTをはじめとする連立与党の下院での議席数が落ち、野党が議席数を増やしたこと、また、国民投票案などをめぐり、民主運動党(PMDB)との関係がどうなるかがカギを握りそうだ。27~28日付伯字紙が報じている。
今回の大統領選決選投票でアエシオ・ネーヴェス氏(民主社会党・PSDB)との得票率の差がわずか約3%ポイントと薄氷を踏む勝利だったジウマ大統領は、議会内運営でも弱体化が避けられない図式となっている。
今回の統一選の結果、上院における与党・野党の議員数は「52人対28人」で、選挙前の「52人対27人」とほぼ変化はなかったが、下院では、選挙前の「339人対151人」が「304人対201人」となり、差が縮まっている。
その最大の原因となったのが、連立与党の中核をなすPTとPMDBが大幅に議席数を減らしたからだ。両党とも、議会内での第1党、第2党は保ったものの、PTが86人から70人、PMDBが78人から66人に議員数を減らした。
このPTとPMDBの議席減に関して27日付フォーリャ紙は、ペトロブラスでの贈収賄疑惑が明るみになったことが大きいのではないか、との見方をしている。
また、今回の大統領選ではブラジル労働党(PTB)が連立与党を離れ、大統領選に出馬したマリーナ・シウヴァ氏のブラジル社会党(PSB)とエヴェラウド氏のキリスト教社会党(PSC)が大統領選決選投票でアエシオ氏への支持を表明したことから、PSDBを中心とした野党勢力につくものと思われる。PTB、PSB、PSCの議席数は、25、34、12の計71だ。
与野党の議席の差が縮まった時点で、15年以降の連邦政府の苦戦は既に予想される。それは、連立与党の議員数304人では、憲法改正に必要な下院全体の3分の2にあたる308人に満たないからだ。
それに加え、ジウマ氏は、最初の4年の任期中も与党勢力内で反対に遭い、法案を成立させられない場面が続いていた。反対勢力の中心となっていたのが、PMDBの下院リーダー、エドゥアルド・クーニャ氏を中心とした「ブロコン」と呼ばれる勢力だ。
そのクーニャ氏が最も抵抗しているのが、政治改革を目的とした、国民投票による行政審査だ。この法案は13年6月のコンフェデ杯の際の全国的なマニフェスタソンに対する返答として国民に約束したものだけに、ジウマ大統領としては是が非でも通したいものだ。
だが、議員間では「国民の投票で選ばれた議員の立場がないがしろにされる」と、強い反発が目立っている。
現在、上院も下院もPMDBの議長だが、エンリケ・アウヴェス下院議長が国民投票の成立に肯定的な立場を取っている一方、レナン・カリェイロス上院議長は「議会による政治改革」を求め、国民投票には否定的だ。さらにクーニャ氏は下院議長の後任候補に数えられている。
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