2006年7月15日付け
インドの列車爆弾テロやイスラエルのレバノン空爆と世の中は余りにも物騒すぎる。イラクでの武装闘争も日々に60人とか100人近い市民が死へと追いやられる残酷無残が続く。北朝鮮はミサイルを発射。イランは核兵器開発に取り組み批判の声は強まるが、一向に動ずる気配はない。こんな国々に比べれば規模は小さいが、我がサンパウロの無法と暴力は―どうしたことか▼州都第一部隊(PCC)の暴力主義は去る5月の騒動で誰しもが知っている。組織の首領・マルコーラも超有名人だし、PCCの悪行ぶりは新聞やテレビでもよく報道される。麻薬に手を染め刑務所に服役中の幹部らの勝手気侭な言行もある。しかも―である。首脳らは刑務所から配下に指令を発しサンパウロや州内での暴力を指揮しているらしいの噂が専らなのである▼あの5月の暴力沙汰からの死者はもう200人を超えている。暫くは静謐を保っていたPCCだが、再び攻勢に転じて警察や商業施設を襲撃しサンパウロや諸都市は恐怖の底に喘ぐ。オニブスは放火されて焼かれ、販売会社の車も焼き払われる。これを書いているときに65台ものオニブスが放火され悲嘆に呉れた会社は己むを得ないと「運行停止」を決めてしまった。このため市民200万人の足が奪われる▼無謀な暴力によって都市機能が麻痺する―こんなことがあってはなるまい。大統領府は州政府を批判し、州知事は連邦政府を皮肉る。こんな高等遊民好みの「政争」はもう止めにしてもらいたい。今はただ―暴力を否定し事態を収拾する治安の回復を第 一としたい。 (遯)