2006年7月14日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十三日】下院議会は今年、議会が作成し本会議で審議されるべき法案が、大統領府の発令する暫定令の審議により成立を最も妨害された年となった。
今年二月十五日から七月六日までに七十一件の法案の審議・表決が予定されていたが、そのうち六十件(全体の八四・五%)が暫定令により審議が先送りされた。ブラジル民主社会党(PSDB)が下院執行部のデータに基づき調査した。
暫定令は二〇〇一年九月に審議規則が変更され、発令から四十五日以内に本会議での表決を義務付けられ、期限を超過した場合は他の法案に優先して審議・表決を継続することになった。現在、組合改革を定めた暫定令二令により、〇七年度連邦予算基本法(LDO)など、下院の他の法案は審議がストップしている。
政府は航空機購入、道路補修工事、賃金調整、役職設置などで暫定令を乱発、自身の利益を優先し、議会の審議を独占してきたと言える。ルーラ政権以降二九三〇の役職が設置されたが、法案に基づくものは一八〇に過ぎない。
審議規則の変更された〇一年は、暫定令により審議が先送りされた法案はゼロだったが、以後審議が妨害された法案の割合は〇二年に六三・九%、〇三年四四・六%、〇四年七七・六%、〇五年七五・八%と急増した。
レベロ下院議長は暫定令が議会の特権を奪い、立法府を行政府の道具にしていると不満を述べたが、暫定令も審議・修正と通常法案と同じ手続きを経るため、同令が立法府をマヒさせている批判には反対の立場を示した。