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帰宅のバスを襲った悲劇=衝突事故で40人超の死傷者

 【既報関連】27日午後11時半頃、サンパウロ州イビチンガ市の州道304号線でトラックと学校の遠足からの帰りのバスが衝突し、11人の死者と30人の重軽傷者が出たことを受け、学校のある人口1万5千人のボルボレマ市は3日間の服喪を宣告したと29日付伯字紙各紙が報じた。
 警察の発表によると、遠足に行ったバスは3台で、乗客と運転手計43人が乗った最後尾のバスが現場にさしかかった時、反対方向から来たレアンドロ・バサレラ氏(26)運転のトラックが制御を失い、車線に侵入してきた。バスの運転手は反対車線に逃れようとしたが、避け切れず衝突。バスの右側部分はトラックによって大きくえぐりとられ、15~17歳の生徒、教師を含む11人の死者を出した。トラックの運転手は「何が起こったか分からない」と述べているという。
 悲劇はボルボレマ市全体に動揺を引き起こし、商店は閉まり、学校も休校となった。10人の犠牲者の合同通夜は、29日午前6時までボルボレマ市営体育館で行われ、早朝のミサの後に埋葬が行われた。会場には28日だけで5千人が集まった。なお、教師のロゼネイデ・モンテラさんは28日夜、イタポリス市の墓地に埋葬された。
 現場付近の州道は片側1車線で、昨年末から路肩のアスファルト化などの改修工事が行われている。サンパウロ州道路局(DER)は工事箇所では速度を60キロに落とすように指示する看板を5キロおきに設置している。
 同州道での昨年の死者は9人だが、今年の死者は今回の事故で20人に達した。
 生存者の一人のレアンドロ・マルケス君(17)は「すごく驚いた」と振り返る。レアンドロ君はバスの左側最後列にいて、直撃を免れた。衝突後、彼はバスから出て父親に電話をかけ、道路を歩き始めた。父親が彼と巡りあったときは茫然自失の状態だった。
 アルキミン知事(民主社会党・PSDB)はサンパウロ州保安局が原因解明に当たることと、教育局長をボルボレマ市に派遣したことを発表した。バス会社のJaboturはまだ声明を出していない。