選挙も終って、政治家が情報を偽ったり仮面をつけたりする必要がなくなった。勝つためなら何でもするという姿勢はある意味天晴れだが、結果が出てから現実を目の前に突きつけられる選挙民はいい面の皮だ▼ジウマ政権は、サンパウロ州の水不足は同州政府の無策が原因と批判する一方で電力不足はないと言い続けてきたが、実際には広域停電などで節電を呼びかけた01年当時より水力発電所のダム貯水量は少なく、電力不足が起きる可能性は30%以上とも▼あの頃より火力発電所などが増え、代替策はあるが、サンパウロ州アウタ・チエテ水系ジャグアリ貯水池では、発電量確保のために放水量を増やし、水位低下が早まった。現在のようにフル稼働が続けば、火力発電所は燃料代や保守経費などで足が出るという▼水も電力も人口増加に伴って需要が増えるものだが、それに見合う投資がなされていたか、節水や節電といった啓蒙活動は充分だったか、不測の事態を想定した準備はできていたのかと訊きたくなる▼最近の新聞やテレビでは、雨水や洗濯機の水を溜めてトイレや掃除に利用するといった節水策の紹介も増えた。我が家でも、全国的に節電が呼びかけられた01年以降、洗濯の水の半分はトイレや掃除用、残り半分のゆすぎ水は次の洗濯用だったが、今年は食器などを洗った洗剤入りの水もトイレ用、米のとぎ汁や麺のゆで汁は植木用に使おうとバケツの数を増やした▼サンパウロ州の水不足は来年も続くといい、春から夏にかけて雨が降らなければ、来年は本当に水が底を突いてしまう。喉元過ぎればで節約精神を忘れては困るが、それ以上に、腹をくくらなければならない状態になるのが怖いこの頃だ。(み)