【既報関連】ペトロブラス(PB)が29日、連邦司法当局に対し、同公社元供給部長のパウロ・コスタ容疑者が、ペルナンブコ州のアブレウ・エ・リーマ製油所建設における汚職問題に関する質問に答えるよう要請したと30日付エスタード紙が報じた。
PB側が問題にしているのは、ジョゼ・セルジオ・ガブリエッリ元総裁とネストル・セルヴェロ元国際部長、レナット・ドゥッキ元サービス部長の3人が、アブレウ・エ・リーマ(AL)製油所やリオ州の石油化学コンビナート(Comperj)の建設事業や汚職にどういう形でどの程度関与していたかだ。
3人は皆、ルーラ政権下でPB理事に指名されており、連警のラヴァ・ジャット作戦で逮捕され、AL製油所を巡る報奨付きの供述を行っているコスタ容疑者や闇ブローカーのアウベルト・ユセフ容疑者の供述でも名前が挙がっている。
ガブリエッリ氏は2003~05年の会計担当理事で、05~12年には同公社総裁を務めた。25日付エスタード紙やVeja誌によれば、ユセフ容疑者は、ルーラ前大統領が2010年に元総裁に電話をし、「広報関係の企業に支払わなければならない経費があるから、解決しろ」と命じたと供述。問題の会社はムランノ・マーケティング/ブラジルで、金を払わなければPBを巡る汚職の事をすっぱ抜くと脅していたという。
元総裁はコスタ容疑者に「(PBの事業を請け負っている)企業からの金を使って支払うよう」求めたといい、連警も、ユセフ容疑者のMOコンスルトリアを通し、10年12月に170万レアル、11年1月に50万9千レアルが支払われた事を突き止めている。
ユセフ容疑者やコスタ容疑者は、PBの事業を請け負った企業からの賄賂は、ルーラ、ジウマ両政権の連立与党の労働者党(PT)、民主運動党(PMDB)、進歩党(PP)に流れていたと連邦地裁でも証言。PBに関する議会調査委員会の形骸化のため、民主社会党(PSDB)の元議員にも賄賂が支払われたとしている。
ジウマ大統領は選挙キャンペーンの中で、Veja誌の記事は前大統領まで落としいれようとする政治的な策略と非難し、PT党員らがアブリル社の前で抗議行動を起こしたりもした。PBはコスタ容疑者宛に23項目の質問を用意し、前記3人の理事がAL製油所建設関連疑惑にどのように関わっているかを明確にするよう求めた。
30日付エスタード紙は、ラヴァ・ジャット作戦で逮捕され、AL製油所を巡る汚職に関与したトーヨー・セタル幹部のジュリオ・カマルゴ容疑者も報奨付きの供述の中でドゥッキ氏の名前を挙げたと報じている。
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