サンパウロ市政は10月30日、サンパウロ市中央部の建築物の価値を漸進的に考慮に入れ始めた。税率は15%を上限に1年ごとに2倍になっていく。建物が5年間空いたままだと、所有権を失う危険も発生すると、10月31日付の伯字各紙が報じた。
サンパウロ市側からの新しい通知によると利用されていない不動産は販売価格で強制徴収されのこの価格は市場評価額より低いものになる。
用地徴収問題に詳しく22年の経験があるヴェントゥーラ・アロンソ・ピレス弁護士はこの新しい通知は違憲で、多くの訴訟が起こり得るとし、「販売価格もとづく土地の徴収は明確に憲法違反です。市場価格に基づく保証金が請求されることが予想されます」と述べ、この件に関しては法定においてすでに判例があり、彼は今回の通知は無効になるとの見立てを示した。
サンパウロ州商用・住宅不動産売買・賃貸・管理業者組合(SECOVI)会長のクラウジオ・ベルナルデスは通知に対して肯定的だが、建築物にたいするIPTUの累進課税に疑問を抱いている。
ベルナルデス氏によると、「市の法律」はその適用を土地にだけ予見している。「『市の法律』は空き地が有効活用されるために重要な方策ですが、適用方法に議論の余地がある」と述べ、「サンパウロ市中央部にはいくつもの空き建物があるが、それは投機の失敗によるものではなく、何年も土地を売ろうとして売れない所有者が、無断侵入に備えて警備を雇わなくてはいけなくなっている」と述べた
ハダジ市長は「全ての政策は課税をしたり、追徴金をとったり、建物を没収したりするために作られたのではありませんが、所有者には建物の使い道を決めてもらわなくてはなりません」と述べた