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電商取引の受注数第1位=中国系サイトが1100万件

 電商取引に関するブラジル世論調査・統計機関(Ibope)の調査によると、第3四半期にインターネット上で行われた商取引の受注数トップは中国系のAlibabaの電商サイト、AliExpressだった。
 同サイトが7~9月に受けた注文数は1100万件で、アメリカーナスとスブマリノの電商サイト、B2Wの720万件や、カーザス・バイア、Extra、ポント・フリオの電商サイト、Cnovaの420万件を大幅に上回った。
 ただ、AliExpressの1回の受注額は平均33レアルで、ブラジル人がインターネットで1回に購入する金額の平均である334レアルの約10分の1に過ぎないため、販売額ではB2WやCnova、Wolmart、マザジネ・ルイーザ、リカルド・エレットロ、ネットシューズの後塵を拝している。それでも、第3四半期の販売額は3億3千万レアルだから、来年度は10億レアルを軽く超える売上を計上する見込みだ。
 AliExpressの投資額は大手サイトの10分の1程度で、月額30万ドルにも満たない上、ポルトガル語での電話応対もない。商品到着が遅れる事もしばしばあるが、廉価な上、商品が来ないと苦情を言う利用者には現金返却といった商法が喜ばれ、口コミで人気が広がっている。Ibopeのアレッシャンドレ・クリヴェラロ氏によると、9月の同サイトへのアクセス数は1450万回で、1月より113%増えたという。
 AliExpressが扱う商品は複数の売り手が絡んでいる事が多い上、大半の商品は個人注文扱いの小口小包として送られてくるため、輸入に際して税金を請求される事は稀だと言う。
 中国系サイトが扱う商品は携帯電話のカバーや充電用のケーブルなどの小物が多いが、AliExpressが受ける注文の3分の2は衣類やアクセサリーなどのファッション系で、顧客の60%は女性が占める。
 このため、ファッション関係サイトであるネットシューズやDafitiは、AliExpressを脅威の一つと感じている。Dafitiのフィリップ・ポヴェル氏は「うちの販売商品はブラジル国内の供給業者が扱っており、1800人を雇用、税金もちゃんと払っている」と強調し、「市場開放には賛成だけど、AliExpressのようなケースはね」と首を傾げる。
 郵便局はAlibabaの商品も特別扱いはしていないが、2009年以降、中国からの小型郵便物は年100%の割りで増えているという。
 電商取引に関する情報を集めているebitのペドロ・グアスチ氏によれば、ブラジル国内の電商取引の利用者の3分の1は国際的なサイトで商品を購入した事があり、国際サイトでの2013年の販売額は50億ドルに上ったという。グアスチ氏は、国際的なサイトでの今年の取引額は350億レアルに上る見込みとし、国際サイトでの商取引についても納税基準の制定が必要との考えを明らかにした。(10月26日付エスタード紙より)