今、ブラジルは少雨に伴う水不足、また、元来が水力発電の国であることから、電力不足に悩まされている。夏の本格化を目前に、水も、エアコンなどで電力も必要な時期に嫌な話だが、そこに追い討ちをかける問題が出てきた。それが「蚊」だ。
保健省は4日、ブラジル全国119の都市に対し、ネッタイシマカからの感染に注意をうながす警告を出した。このネッタイシマカはデング熱、そしてチクングニア熱を誘発する蚊であることで知られている。
そこには10の州都も含まれ、レシフェ(ペルナンブコッコ州)、べレン(パラー州)、マセイオ(アラゴアス州)など、暑く、かつ干ばつに悩む北東伯の都市の名前が目立つ。だが、その一方で、比較的涼しい南部のポルト・アレグレ(リオ・グランデ・ド・スル州)や中西部の盆地で蒸し暑いクイアバー(マット・グロッソ州)も含まれるなど、対象地域はかなり幅が広い。
今回、このような警告が発されたのは、チクングニア熱の急増によるもので、9月に最初の症例が見つかって以来、10月25日までの1カ月強で824の症例が見られたためだ。
チクングニア熱は、40度を超す高熱を出すことがあり、関節が激しく痛む症状で知られている。この症状は人によって2年ほど続くこともあるという。
また、デング熱も今年は既に379人の死者が出ているから、油断は禁物だ。
また、このネッタイシマカと直接つながるかは確かではないものの、サンパウロ市でも蚊の異常発生が報告され、特に西部のピニェイロス川に近い地域の住民からは「夜も眠れない」との報告が出ている。
ブラジル国民にとって、昨年から今年にかけての夏は、雨が降らず、異常な猛暑で、デング熱の感染拡大という脅威にもさらされたが、今年から来年にかけての夏も早くから頭が痛くなりそうだ。(4日付G1サイトなどより)
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