「環境も全く違う所に送りだすのは心配よ。でもあなたの望みだから。たくさん経験を積んで見識を広めてほしい」―。
大相撲友綱部屋に入門が決まったスガノ・リカルドさんの送別会で、遠い異国の地に旅立つ我が子に贈った母の言葉。
これを聞いて、ブラジルへ来る前に私の母が言った言葉を思い出した。「きっと人生の中で貴重な体験になる。体だけには気をつけて」。
「親の気持ちはどこでも同じだ」と思った。そして改めて「親のありがたさ」を実感した。
送別会の帰り際「日本から手紙をたくさん送るよ」とリカルドさんが母親に言うのが聞こえた。「当然よ。毎日送って欲しいわ」。
またここでふと私の母の言葉を思い出した。「ブラジルから手紙を送ってね」。あっ、私の机には日本に送るはずだった白紙の絵葉書で一杯じゃないか。(泰)
06/07/13