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市警の銃殺体発見される=警官を狙った殺害続く=PCCの仕業にみせかけか

2006年7月12日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十一日】サンパウロ市南部のファベーラ、エリオポリスで十日、市民警察の囚人監視員が銃殺体で発見されたことで、保安当局内で緊張が高まっている。
 犯罪組織州都第一コマンド(PCC)が刑務官や警備員を新たな標的として襲撃を実行していることで当局は警戒を強化しているが、今回の事件はPCCと無関係とみている。
 しかし、犯罪組織がPCCの仕業と見せかけて警察を襲撃するという新たな手口が今後も展開すると見て、防犯を強化していくことになった。
 五月にPCCが武力蜂起して以来、犯罪者の凶器の犠牲となった市警はこれで十一人目となった。五月の一連の襲撃事件では警官三三人、刑務官九人、市民五人が犠牲となった。いっぽうでPCC構成員は一二二人が銃撃戦で死亡した。
 今回殺害された警官(21)は昨年九月の採用以来、病院に収容される犯罪者を監視する任務についていた。事件発生の九日は、エリオポリス病院で手術を受ける囚人の監視に当っていた。
 午後九時ごろ、軽食をとりに行くと同僚に言い残して外出したまま行方を絶った。翌日、アンジェロカマタ街の路上で死体となって発見された。
 当局では病院の外に出たところで拉致され、隣接するファベーラ・エリオポリスに連れ込まれて殺害され、発見現場まで運ばれたとみている。体には頭部のほか手足にも銃弾が撃ち込まれていた。このほかリンチの痕跡と見られる無数の傷が確認された。
 サンパウロ市内で九日、わずか四時間の間に軍警二人、市警二人の計四人が凶弾の犠牲になった。うち二件は強盗殺人だが、残り二件は今回の事件同様、PCCに罪を被せる犯行の可能性があるとして捜査を進めている、現場検証などから、アブレウサンパウロ州保安長官は一連の事件にPCCは関与していないとの見解を明らかにした。