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外国投資下半期に減少へ=金融、政府筋が予測=総選挙控え一時引き揚げ

2006年7月11日(火)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十日】今年下半期における外国からの投資は、上半期の活況から一転し、極端に減少すると予想されている。金融アナリストらの一致した見方で、政府筋も大筋で同様に予測している。
 その原因として、世界の金融市場の不況と、十月に行われる国内総選挙により外国投資家が静観の姿勢を決め込んだり、投資を一時引き揚げたりすることが挙げられている。これにより投資ドルの流入が大幅にストップすることで、対ドル相場は二・二〇レアル台で推移するものとみられている。
 今年上半期での外貨の流入と流出の差は、投資や輸出も含めてプラス二三一億三〇〇〇万ドルに達した。しかし、六月単月のみで外国投資家の引き揚げ金が二二九億四〇〇〇万ドルになったことで、下半期に向けての兆候が早くも始まったとみられている。
 そもそもブラジル(発展途上国も含め)への外国からの投資は、アメリカの不況と、懸念材料だったインフレの抑制にともなう金利(政策金利)低下が原因となってラッシュの様相を呈したが、ここにきて景気回復にともない米連邦準備制度理事会(FRB)が金利を安定化させたため、リスクが最も少ないアメリカ金融市場に再度投資が集中した。
 これによりタナからボタもちのいわゆるタナボタ景気のブラジルは妙味を失ってしまった。加えて上半期はプレミアム・リスク料の安いアメリカなどの融資に走った国内企業が多く、三〇二億ドルにも達した。これは通常の三倍に相当する。
 アメリカの金利引上げにより、下半期に投資は五〇%に減少するとみられている。これにより外貨の流出入の差は一〇億ドルないし五〇億ドルに限られると予想されている。かげりを見せているとは言え、輸出は好調で、流入に大きく貢献して歯止めをかけるとしている。
 ドルの流入減少により、下半期のドル相場は二・二〇レアル台で安定するものとみられている。外貨の引き揚げや資本財の大量流出で、ドル相場が四・〇〇レアルと二〇〇二年の二の舞にはならないと推測されている。今年五月五日に二・〇五レアルをつけていることから、二・二〇台への回復は輸出業界の採算にプラスになり、朗報として受け取られている。

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