ホーム | コラム | 樹海 | コラム 樹海

コラム 樹海

 破滅的暴挙―とでも云うべき北朝鮮のミサイル発射である。しかも一発ではなく、スカッドとノドンや最新型と自称するテポドン2の7発を発射した。新潟県から700キロから800キロも離れた日本海に落下したが、幸いにも被害はない。日本海ではあるが、むしろロシアのナホトカ市の住民らが沖合い10数キロにミサイルが落ちたので驚き北朝鮮領事館に押しかけたそうだ▼テポドン2は射程が3500キロから6000キロとされアラスカ州にまで届くからアメリカものんびり構えているわけにもいかない。ところが、発射はしたものの失敗の観測がもっぱらだし、あの短躯肥満の金正日さんには済まないが―大事に到らずよかったと歓迎したい。それにしても―でる。あの大韓航空機爆破といい北朝鮮のやることは、どう考えても解らない▼ここまでくれば、日本も沈黙は許されまい。北は1998年にもテポドン1を発射し、これは列島の上空を飛び太平洋に落下し国会でも議論された。日本は安全だと称する人士は多いけれども、一発のミサイルにも降参せざるをえないのが列島なのである。北のミサイル発射が脅威なのは日本だけに限らない。中露も韓国も世界の国々にとっても迷惑至極であり心配なのである▼政府は安保理に制裁決議案を提出し今、論議中だが、これもロシアと中国が反対し先行きは不透明である。だが、日本が独自の制裁に踏み切ったのは評価したい。「疑惑の船」である万景峰92号に入港を禁止し、貿易や送金停止の検討も進めている。破廉恥には制裁を―は筋なのだから。(遯)

06/07/08