2006年7月7日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙三十日】ジルベルト・カサビサンパウロ市長が、セーラ前市長がサンパウロ州知事選への立候補に向けて辞任した後を受けて、市長に就任してから三カ月が経過したが、市民の半数近くがその名前すら知らないことが意識調査で明らかになった。
サンパウロ市の市長は?の問いに正確に答えたのはわずか三二・九%で、四三・五%は知らなかった。さらに驚くことに、未だにセーラ市長と答えたのが一八・二%に上った。ほかの人物としたのは五・四%で、認知の低さを如実に示した。中には「名前は思い出せないが、彼は褐色でやせ型だ」と知ったかぶりで答えた人もいた。市長は実際には白色で体重九七キロ、身長一八三センチの偉丈夫なのだ。
知名度が低いのは、昨年の市長選挙でセーラ前市長との連立政権で自由前線党(PFL)から副市長のシャッパで打って出たものの、セーラ前市長の人気の陰に隠れたことで致し方のないところ。そのため、三カ月間の市長としての評価は前市長およびマルタ元市長と比べて芳しくないのは止むを得ないとの見方もある。
インフォームエスタードが六月十七日にサンパウロ市内各地区の十八歳から六十四歳の男女六三〇人を対象に意識調査をした結果である。調査によると、現市長の評価は最良あるいは良いとしたのが一九%で、セーラ前市長の昨年十二月の調査でのそれの四〇・四%の半分にも満たない辛らつなものとなった。
マルタ元市長の二〇〇二年六月の時点では二四・三%だった。普通と答えたのが三三・四%でセーラ前市長(四〇・三%)、マルタ元市長(四四・八%)とは大差はなかった。最悪あるいは悪いは二五・一%でセーラ前市長の一七%に及ばないまでもマルタ元市長の二九・一%よりも下となっているのが、せめての救いといったところか。
また評価が悪いのは貧困層(最賃五倍以下の所得)が二五・八%に対し、富裕層(同二〇倍以上)は一四・七%で、有識者には評価されていることが伺える。さらに今後の期待感は四〇%で、前の市長がそれぞれ五八%、四三・五%だったことから、不透明な部分が多いことを実証した。
カサビ市長は、市庁にとどまることなく、近郊などを視察するのを日課にしているが、ほとんどが市長と気がつかず、バールにカフェを飲みに立ち寄っても握手攻めにあうこともなく自由に振る舞っている。