2006年7月7日(金)
六期連続でサンパウロ市議を務める羽藤ジョージ氏(PMDB所属)が、十月の総選挙に向けてサンパウロ州議員選出馬を表明し、現在選挙活動を展開中だ。
あいさつに来社した羽藤氏は、通称「土地なし農民」と呼ばれる農地占拠運動(MST)により困窮した日系農家の現状に触れ、「州議員になったらまずはこの運動を止めたい。ブラジルは農業にこそ将来の希望がある。もっと農業にお金を投資するよう働きかけたい」と話した。その上で「農業が発展すれば雇用もうまれ治安の回復にも繋がるでしょう」と力を込めて語った。
また高齢化が進む日系社会の現実を踏まえ、「サンタクルス病院などの日系の主な病院で、七十歳以上の人の診察を無料にするよう働きかけたい」と話す。
今年はイビラプエラ公園内の開拓先没者慰霊碑と隣接する日本館の改修費用として、すでに十三万レアルを市の予算に計上できたという。「来年からも必要があれば、援助をしていきたい」と語る。
サンパウロ市議として務めた二十四年間では主にサンパウロ市内の安全対策強化に奔放。「レイ・セッカ(禁酒法)」と呼ばれるバールの営業時間の短縮を定めた条例を制定させ、「まわりからは不満を言われたこともあるが、実際に治安が回復した事実がある」と自負する。
羽藤氏はサンパウロ市から約六百二十キロ離れたパカエンブー市に生まれた。八歳から十八歳まで、農業を営む両親の仕事を手伝い、ピーナッツの栽培や棉栽培などに従事した経験をもつ。
州議員としてはサンパウロ市議時代にできなかった農業面の発展に力を入れたいという。そこで実績をつんで将来的には「連邦下議に立候補したい」と意気込む。
「六回サンパウロ市議に当選できたのも日系の方々のおかげ」と話す羽藤氏。「これからも応援をよろしくお願いします」と呼びかけた。羽藤氏のホームページ=www.joojihato.com.br。