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年金調整率は16・67%=上院が承認、大統領は拒否へ

2006年7月6日(木)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙、エスタード・デ・サンパウロ紙五日】上院は四日、最低賃金の三〇〇レアルから三五〇レアルへの引き上げ(一六・六七%増)を定め、社会保障院(INSS)が支給する最低賃金以上の年金や恩給も同じ率で調整すると下院で修正された暫定令二八八号を承認した。
 大統領選挙への影響を懸念しつつも、ルーラ大統領は同令の年金調整の部分について拒否する考えであることを同日、大統領府補佐官が明らかにした。同率での調整により、年間七〇億レアルの国庫負担増になるという。野党側は今回の承認と大統領の拒否を選挙戦で利用する心積もりでいる。
 政府は今後、最低賃金を引き上げた後、四月に発令した暫定令二九一号を修正なしで議会が承認するよう働きかけていく方針を固めた。最低賃金以上の年金や恩給の調整率を五%と定めた同令は現在下院で審議が行われているが、野党は調整率の一六・六七%への修正を求めている。
 暫定令二九一号が期限である八月十一日までに上下両院で承認されない場合や、調整率が一六・六七%に修正されて再び大統領が承認を拒否した場合、調整率五%も無効となり、全国消費者物価指数に基づいた調整率三・一四%が適用される。暫定令により五月から五%調整された年金が支給されているため、三・一四%になれば、受給者が差額を返還する可能性もあることをマシャド社会保障相は認めた。
 最低賃金以上の年金や恩給を受給している人は八二〇万人に上り、調整率が五%の場合、実質引き上げは一・八%、国庫負担は年一〇億レアル増えると推計されている。

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