ブラジリアで4日午後、元運転手のロブソン・マルチンス・ダ・シルヴァ容疑者(33)が連邦直轄区政庁のパラシオ・ド・ブリチのガラスをナイフで壊そうとした後、女性をナイフで脅して約1時間人質にとり、特殊部隊(Bope)に逮捕されるという事件が起きたと5日付エスタード紙が報じている。
同容疑者はパラシオ・ド・ブリチにつながる舗道の縁石に運転していた車をぶつけた後、車から降り、持参したナイフでガラスを叩いた。
気付いた警備員が追いかけたが、その場から逃げた同容疑者は、手にしていたナイフで、バス停にいた連邦直轄区裁判所職員のジュレーナ・アスンソンさん(28)を脅して人質にとった。
現場を通りかかった休暇中の私服警官が話しかける間に、通報を受けたBopeが到着。軍警の交渉人は、別の隊員達が容疑者を捕獲できるように話しかけ、容疑者の注意を引いた。隙を見て近づいたBope隊員は、電気ショックを与えるテイザーガンとゴム弾で撃ち、容疑者を捕獲した。
市警の発表によると、容疑者は「家族が殺されたんだ、自殺するから武器をよこせ」「大統領に会わせろ」などと支離滅裂な台詞を繰り返していたため、精神障害を患っているか麻薬などで感覚が麻痺した状態と判断して銃器の使用を決めた。容疑者の親族は麻薬の使用を否定しているが、現場に駆けつけた妻によると、最近はクラックに手を出していたという。
容疑者はブラジリアの軍病院に搬送されたが、殺人、殺人未遂、違法な武器所持、違法薬物使用の前科があり、自宅軟禁の状態だった。人質とされていた女性に外傷はなかったが、ショック状態で病院に運ばれた。
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