2006年6月30日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十七日】出産のための特別休暇(産休)は現在、法律で四カ月と定められているが、これを六カ月に延長する動きが活発化している。全国小児科協会が音頭をとってキャンペーンを繰り広げてきたもので、理解を示す行政団体や企業が増えてきている。
同協会によると、誕生後六カ月までが発育に最も重要な時期で、定期的に母乳を与える必要があるという。骨や筋肉などはもちろんのこと、脳細胞はこの期間に一日二グラムずつ増える。このため情操教育のためにも母親が傍らにいるのは不可決だとしている。世界保健機関(WHO)も六カ月産休を推進している。
セアラ州とエスピリト・サント州およびアマパ州ではこれに賛同し、市条例として定めた市もある。セアラ州ではベベリベ、マラングァペ、レデンソン、ジェネラル・サンパイオ、タンボール、ピノレタマ、バルジョタの八市が、エスピリト・サント州では州都のビトリア、カステロの両市が法令化している。
さらに市議会で承認されて市長の裁可待ちになっているのがロンドリナ市(パラナ)とマラニョン州の各市となっている、また、ベレン(パラー)、クァバー(マット・グロッソ)、フォルタレーザ(セアラ)、ジョンペッソア(パライバ)、ポルト・ヴェーリョ(ロンドニア)などが議会に上程する構えをみせている。さらに、上院でも立法化する動きもあり、産休を許可した企業には相当分の所得税免除の恩典などが含まれている。
企業でも六カ月産休を実施しているのが三社ある、コジッパ製鉄とMASA(アマゾナス州のプラスチック加工メーカー)、フェルソル(農薬メーカー)だ。三社はいずれも産休から戻った女性社員が落ち着いて能率がアップしたと賞賛している。
変わったところではIBM社が挙げられる、男性(父親)に産休を与えている、ただし在宅勤務で、使用するインターネットなどの経費の半額を負担している。男性社員は子供に接した上、通勤のイライラから解放されて仕事がはかどると喜んでいる。
外国の例ではイタリアが五カ月で国が八〇%負担、デンマークは十八週間で国の負担が九〇%、アルゼンチンは九十日、チリは十八週間で全額国の負担、アメリカは十二週間で国の負担は一切なしとなっている。