2006年6月30日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十四日】二十日からカナダのバンクーバー市で開催されていた第三回国際都市フォーラムが二十三日、閉幕した。関係者によると、総体的に数々の理想的プランが打ち出されたものの、参加国とくに発展途上の貧困国で実現が困難視される卓上プランとして受け止められている。
今回の討議の焦点は都市の整備と貧困の撲滅により貧富の格差を是正することがメインテーマとなった。スラム街の住民が世界で一〇〇万人を突破したことも報告され、都市計画により改善が急務だと指摘されたが、途上国では財政難に直面していることから早急な対策は望めないとしている、
とくにアフリカ諸国では七二%がスラムの住人だが、保健や飢餓対策が優先され、住宅や都市整備は後回しとなっている。ブラジルの都市整備は評価され、とくに地方都市間の交通機関の連携はモデルとして賞賛されたものの、スラム街が年々増加していることで途上国他国とともに改善を求められた。
また貧富の格差が大きいことも指摘された。世界の都市の人口は年率一%の増加をみており、これにともない貧困層は平均四%増加しているのに対し、ブラジルではこれを上回り、なかには七%に達する地方都市もあると指摘された。
フォーラムは一五〇カ国から六〇〇〇人の代表団と一万人が出席して行われた。六十三人の関係大臣、一四九七人の政府機関、三七九人の国連関係者、二三八四人のNGO団体者、一一八七の民間代表、一四四人の教育および調査機関の代表が集った。ブラジルからは都市省の長官三人と市長ら、社会福祉関係者らが出席した。