2006年6月29日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十八日】ルーラ大統領は二十七日、ブラジリアで開催された第一回経済連帯全国会議で、(自身の大統領就任前に)ブラジルは半ば混乱状態に陥っており、滅びるかもしれないとの声を聞く中、(二〇〇二年の)大統領選挙に出馬すべきか自問するようになったと演説の中で述べた。
しかし、大統領就任後は経済問題を解決し、国際通貨基金(IMF)とパリクラブの債務を前倒しで完全決済したと強調、IMFや米国大統領など、他のだれにも媚を売らずにすむようになったと付け加えた。
また、「未亡人と結婚するなら、子供たちも引き受けなけなければならない」と述べ、カルドーゾ政権が外国と締結した協定すべてを現政権が実行したことを思い起こした。
ブラジル民主社会党(PSDB)の大統領候補のアウキミン氏は同日、ルーラ大統領の批判に対してカルドーゾ政権を擁護し、二〇〇二年大統領選挙でルーラ候補が当選した後の十二月にカントリーリスクとドルが急上昇したのは、「ルーラリスク」のためだと述べ、現政権は諸改革を前進させず、税金と支出を増やし、公共投資をおざなりにし財政を悪化させたと批判した。
〇二年十二月にインフレ率など経済指標は悪化したが、〇二年五月と今年五月の指標を比較すると、年間予想インフレ率(四・三七%と四・〇六%)、公共部門の債務(GDPの五四・九六%と五一・〇四%)などで差が小さく、前職と現職大統領の批判合戦は大げさなものとアナリストはみている。