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ブラジルがインドに注目=苦難の歴史乗り越え発展

2006年6月28日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十六日】長いトンネルを潜りぬけ、ようやく短期間で持続可能な経済発展を遂げる処方せんを発見したインドに、ブラジルが興味を注いでいる。インドが直面する社会問題は、ブラジルが通ってきた道より険しいからだ。
 まず歴史を見るとインドは一九四七年に独立。それから五十年間、ブラジルが経済成長率四・四%を達成しているのに、インドは一%以下であった。植民地時代のトラウマから抜け出せなかったのだ。
 政治家に対する国民の不信感は、骨の髄に染み込んでいた。また外国資本即植民地主義という偏見と敵意が、国民のメンタリティであった。このような状況で、資本と技術の導入による産業の勃興は進まなかった。インドは独立をしたが、国民の考えを啓蒙するのに四十年を要した。
 インドの産業はITにようやく希望を見出した。IT産業で一三〇万人の頭脳が輸出された。しかし、人口十一億の七〇%が極貧状態にある。毎年八〇〇万の雇用創出が急務だが、女性の五五%、男性の三二%が文盲である。
 ブラジルのインフラ整備遅れに非難が集中するが、インドはもっと悪い。工場はいつも停電するので、六〇%が自家発電する。国道に至っては、ブラジルは天国である。インドがブラジルに優るのは国民の一致団結の精神だ。これはブラジルが欠いているものだ。
 インドは社会組織が複雑だから、政治手続きも複雑である。インドには国語が三〇ある。多数の信徒を抱える宗教が六つある。イスラム教だけで一億三千万人いる。政党は二〇あるが、権益確保だけが目的で、国家的政策がない。

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