アグリビジネス

2006年6月28日(水)

 ポンテ・ジ・フェーロ社のズベイビル氏は、牛の脂肪分でバイオディーゼルをつくり、ペトロブラスへ納入した。大豆油から作ったバイオディーゼルより少し安価になる。牛一頭から脂肪分が一五キロ出る。これまで牛の脂肪分は屠殺場のボイラーで燃やしていた。牛の脂肪分からバイオディーゼルをつくる技術は、イタリアで開発された。ブラジルでの草分けはピラシカバのM・デジーニ製作所で、ノウハウをイタリアから導入した。しかし、機械が高価なため生産は頓挫した。ズベイビル氏は国立リオ大学研究室で、新たな技術開発に取組んだ。現在は水分と酸味を減量した半加工の脂肪分を原料としている。六〇度に加熱すると脂肪分は液化する。それを化学薬品の触媒を使って、メタノールに混合する。バイオディーゼルの製造には、原料の処理準備が必要である。大豆の場合リン分を、ひまわりは蝋(ろう)を除去する。脂肪分はバイオディーゼルとグリセリン、含水メタノールなど三種の製品を処理法次第で生み出す。脂肪分のバイオディーゼルは品質検査の結果、脂肪分が少し残留するので輸出には不向きという。出荷価格はトン当たり六五〇レアル。もう一つの問題は、原料生産地が遠隔地のため輸送費が負担になっている。関心のある人は左記へ連絡を。3052―2450
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 農業へのGPS(全測位システム)導入が話題となっている。農業をハイテク産業とするなら、設備投資をする価値があるという。宇宙衛星を使って土壌分析や肥料の施肥状況、無駄防止に役立つとされる。設備一式が負担になる小規模の農業生産者は、組合を設立し共同で利用するのも一案である。各自購入はコンピューターだけだ。GPS導入で成果を上げているのは、ゴイアス州ゴイアネジアとサンパウロ州ジャーレスのウジナ・マッシャード。ヘクタール当たりの生産費が一八六レアルから一一八レアルへ節約された。石灰は三四・五%、燐酸肥料は三八・六%も施肥料が減った。詳しくは左記へ連絡を。ESALQ(19)3429―4165。Embrapa(19)3789―5700へ。