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詐欺事件に注意を!=新たな手口が次々と登場

2006年6月23日(金)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙十九日】新しい手口の犯罪とよく耳にしたりマスコミに取り上げられたりするが、警察当局によると犯罪の本質は歴年にわたって変わっておらず、ただ単に衣装を変えて登場するものだという。
 最近流行の振り込め詐欺も新手口と言われるが、電話や演技という衣装の小道具を使っただけで、一昔前からの詐欺事件が根底に残っているものだと指摘している。人を欺く犯罪は心理を巧妙に突いてくるので、常日頃平静心を失わなければ未然に防げるとして注意を呼びかけている。
 いつの世も変わらぬ五大詐欺犯罪は就職あっ旋、住宅販売、自家用車、サービス業の住宅訪問、偽造誘拐となっている。
 なかでも誘拐をデッチ上げて身代金を欺し取る手口は現在最も流行している。家族や親族に手当たり次第に電話をかけて一刻の猶予も与えない脅し文句を並べてまんまと身代金をせしめるのだ。勿論それなりに家族の情報は収集している。とくにソロカバ市では一年間で三〇〇人にデッチ上げの脅迫電話があり、このうち五〇人が一万レアル以上の身代金を欺し取られた。
 誘拐捜査課によると、ほとんどの犯人が刑務所に服役している囚人で、組織が集めた情報をもとに偽造携帯電話を使用する。ソロカバ市の場合はリオデジャネイロ市の刑務所の囚人が犯人だった。捜査員が刑務所を急襲した際も、電話メモ帳を手に交渉中だった。
 振り込め詐欺は自動車事故を舞台としたものに発展した。家族や親族の一人が交通事故を起こして重体となり、手術が必要だが病院への積立金をすぐ振り込めと指示してくる。家族を信用させるために病院の電話番号(もちろん偽造携帯電話)を与え、仲間二人が看護師になりすまして応対する仕組みとなっている。
 いずれのケースも本人の存在が確認されると一件落着となる。このため家族は常に居場所を知らせて連絡が取れるようにすることが肝要だとしている。
 また、訪問サービス業務を装った犯罪も多発している。電気や水道などの会社の職員と称し、緊急に振り込まなければ多額の罰金を科すと偽る。家人が留守で家政婦を狙うのが多く、罰金となったら門を開けなかった家政婦の責任になるなどの脅し文句を並べ、家宅に侵入する手口が多い。このほか、就職あっ旋料、新車安売り、住宅販売の詐欺はインターネットの普及で犯罪者の格好の武器となってきている。
 これらにつき当局は次の点を注意するよう呼びかけている。▼安い製品には注意し、必ず現物を見ること。▼家政婦や高齢者、子供に電話番号や家庭事情を誰にも知らせないよう心がけること。▼訪問サービスは身許確認と同時に派遣した会社に確認すること。

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