2006年6月21日(木)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二十一日】上院のビンゴCPI(議会調査委員会)は二十日、小・零細企業支援センター(Sebrae)のオカモト総裁を告発し、ジルセウ前官房長官とカルヴァーリョ大統領秘書を放免する最終報告書を賛成十二票、反対二票で承認した。CPIの与党委員は、最終報告から前官房長官と大統領秘書が削除されたことで安堵した。同報告書は検察庁へ回され、前回大統領選で財務担当を務めたオカモト氏やパロッシ前財務相など七十九人と四社の捜査を要請する。またビンゴの合法化は、同報告書から削除することに全員が同意した。
ビンゴCPIは二十日、最終報告書をまとめ、幕を閉じた。表決の結果、同報告書は絶対多数で承認されたが、内容はルーラ大統領個人の周辺や、大統領を支援した旧友らを洗い出すというもの。オカモト氏に対する嫌疑は資金洗浄や脱税容疑など。同氏が大統領の個人債務を決済したことで、労働者党(PT)市長の市での資金調達システムを解明するらしい。
前財務相についてはリベイロン・プレット市長時代、犯罪組織の構築や公文書偽造、横領、資金洗浄、権限乱用などの犯行へ関与した容疑。前財務相が二期務めた同市の市長時代、ごみマフィアの跋扈を許したという告発である。
大統領秘書のカルヴァーリョ氏は、サントアンドレ市の前市長殺害への関与容疑があるが、検察庁の捜査が進展しないため、最終報告書から外された。同秘書は被害者の実兄と対審を行ったが、殺害関与を立件するには至らなかった。
ダニエル前市長殺害に関する項目は七十八ページに及び、同秘書の名前は五〇回も出てくる。同秘書は、サントアンドレ市にPT政治資金の調達網を構築した主犯とみられている。被害者の実兄と実弟は殺人事件の前後二回、同秘書の乗用車である黒塗りのコルサで調達資金を運んだのを目撃した。
ジルセウ氏はCPI召喚にも至らなかったとして、最終報告書への記載を見送られた。与党委員は、上院のビンゴCPIが本来の趣旨に反すると最終報告書の無効を最高裁へ申請する考えだ。ビンゴCPIは、事実確認が不鮮明な容疑を審査したという。ビンゴと関係ないことも調査したと与党は訴えた。
ビンゴCPIは二〇〇四年二月、ジニス元主席補佐官のリベート受領場面が録画され、賭博業者との関係を解明するため設置が承認された。政府は同CPIの廃止を工作したが、ペレス上議とシモン上議の要請を受け入れ、最高裁が設置を認めた。
上院で二十日、野党上議がビンゴCPI報告書に大統領の名前が記載されていないことを説明した。与党は無関心を装った。ルーラ氏を大統領に据えるためダニエル前市長を殺害し、金庫番のオカモト氏をかばった疑惑は、検察庁の捜査に任せるというのだ。
マガリャンエス上議が、ルーラ大統領の名前を最終報告書に記載しなかったのは野党の慈悲だといった。サントアンドレのダニエル前市長やカンピナスのトニーニョ前市長の殺害解明では、PTが党を挙げて捜査妨害を行い、こんな破廉恥な党はブラジルの歴史上見たことがないと同上議が非難した。