アグリビジネス

2006年6月14日(水)

 長年干ばつで悩まされ、省みられることがなかったミナス・ジェライス州北部ジャイバ地方に、米系企業がラテンアメリカ最大の灌がいプロジェクトを立ち上げた。サンフランシスコ川から水を引き、一〇万ヘクタールのさとうきび栽培を行うというもの。第一期計画は世銀が一億五〇〇〇万ドルを融資、ポンプと二四四キロメートルの運河を設置する。第二計画に日本の国際協力銀行が一億一〇〇〇万ドルを融資、インフラ整備と一六五キロメートル運河を延長する。
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 アモリン外相から「不快な男」と批判されたベネズエラのチャベス大統領が二十四日、ボリビア開発の経済使節団を結成するためブラジルの産業界を招いた。同大統領は、ブラジリアへ立ち寄りボリビア・ミッションの結団式を行う。
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 最高裁はパラナ州条例が遺伝子組替え(GM)農産物を一部でも原料とした商品に表示ラベルの貼り付けを義務つけたことに対し、違憲判決を下した。二か月後発効となる。パラナ州は条例を改正し、新条例を制定するという。
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 ブラジルの国立農事試験場(Embrapa)は、日本のJircasの協力を得て大豆の遺伝子組替え(GM)新種を開発している。新種は干ばつと病原菌に強い品種である。アラブドップシスという砂漠の大豆から摘出した干ばつに強い遺伝子をJircasから取り寄せ、これを病原菌に強い遺伝子と組み合わせた。現在はEmbrapaで試作中。一方、バイオ技術委員会(CTNBio)は、GM大豆の栽培と販売を公式に許可するか議論している。政府では、GMが技術的ではなく政治と思想の問題になっている。GMプロジェクトは五三八件が認可待ちで、申請書の山をつくっている。Embrapaが懸念するのは、CTNBioのメンバーに検察庁の人間が加わっていることだ。科学技術のことが分からない検察庁が科学者の上に君臨するのは時代遅れである。