ホーム | ブラジル国内ニュース(アーカイブ) | 金庫破りの背後にPCC=効率のいい犯罪に向かう傾向

金庫破りの背後にPCC=効率のいい犯罪に向かう傾向

2006年6月13日(火)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十二日】連邦警察資産犯罪捜査部(DPAT)の報告書で、二〇〇五年八月にセアラー州フォルタレーザ市の中央銀行支店の金庫から一億六四八〇万レアルが盗まれた事件で、被害額のうち約五〇〇〇万レアルが犯罪組織州都第一コマンド(PCC)の懐に入ったとみられることが判明した。
 サントス捜査官によると、PCCに入った金の一部は一カ月前に発生したPCCによる警察署などの襲撃事件の費用に当てられ、同じく五〇〇〇万レアルのうち三〇万レアルは、今年二月に発生した、パラグアイのABNアムロ銀行の金庫破り事件の準備に使われたという。
 両行の事件とも犯人ら二十人が銀行近くの不動産を借り、金庫までトンネルを堀って盗み出した点など犯行手口に共通点がある。連警の捜査で両事件ともPCCメンバー七人が関与したことが確認された。
 また、二〇〇四年に連警が摘発した金品の強盗事件五十件を分析した結果、事件の少なくとも二〇%にPCCが直接または間接的に関係していたことも同報告書により明らかとなった。
 九〇年代末以降PCCは、銃器の準備が少なく、かつ一度に多額の金が手に入る、「実入りのいい犯罪」に手を染め始めた。銀行の現金輸送車やトラックの積荷など、移動中の金品を標的にする傾向が強まっており、サンパウロ州保安局によると、昨年サンパウロ州で四千二百六十六件の積荷強盗が記録されたという。
 こうした犯罪により、PCCの収入は月一〇〇万レアルにまで増加、メンバーの月極め上納金はここ三カ月に減少した。PCCは麻薬密売でも収入を増やし、犯罪で得た金を資金洗浄するため、ガソリンスタンドや違法交通会社にも手を伸ばしている。