2006年6月13日(火)
落胆のため息が文協を包んだ――。サッカーW杯予選Fグループの初戦、日本対オーストラリア戦が十二日、午前十時から行われた。ドイツ、日本での応援に負けじと、ここサンパウロでも文協ビル内の国外就労者情報援護センター(CIATE)事務所内で約五十人が観戦。「ニッポン」コールが響いた。グローボやTVレコルジ、テレビ朝日など日伯報道関係者が応援の様子を実況中継、注目の一戦となったが、結果は三対一と無残な逆転負け。「実力の差かな。残念です」と会場を訪れた男性は力なく笑った。
開幕後最初となる、日本代表の試合。前半二十六分、中村俊輔が先取点を決めると、会場は大きく沸いた。ドイツ・カイザースラウテルンでの熱戦を伝えるテレビの画面に見入る会場の五十人には、非日系人の姿も見られた。ヘボーロやパンデイロ、ホイッスル、拍手の音、笑い声。会場は和やかな雰囲気に包まれた。
ハーフタイムでは、報道陣が来場者らに取材、日本の勝利を願うコメントが聞かれた。「絶対日本が勝ちますよ」。
しかし、後半三十九分に一点取り返され、終了間際でさらに二点をもぎ取られた時点で会場は失望の色に包まれた。
試合終了まで待たずに会場を後にする人たちの姿もあり、前半の勝利ムードとは一転、会場のあちこちでため息が漏れた。
ある一世の男性は、「最初に水をぶっかけてもらって良かったのでは。『負けて兜の緒を締めよ』ですよ」と十八日の対クロアチア戦に期待をかけた。