近ごろの日本はどうもおかしい。神奈川県平塚市の5遺体事件で逮捕された母・岡本千鶴子は、娘を殺し、長男も殺害したらしい。他の子供3人も殺し段ボールにいれてアパートに隠していたの見方が強い。秋田県の豪憲ちゃんを殺し遺棄した畠山鈴香の行動も理解を超える。教授とか医師など社会的な立場の高い人たちのセクハラも余りに多すぎる▼犯罪を取り締まり治安の維持が仕事の警察官の悪行も目立つ。それも―幹部の不始末が―である。先月は警視庁の公安課長が逮捕されマスコミを賑わせた。公安課は過激派などの捜査を担当する重要なところであり、そこの成松清警視が、事もあろうにホ―ムセンタ―(建築資材店)で500円か600円の塗料2本を万引きして逮捕されたのだそうだ。警視庁は定職1ヵ月の懲戒処分にしたが、本人が辞表を提出している▼そしてこの2日には沖縄県警の長浜栄治警視がセクハラで戒告処分された。酒に酔い女性の胸や足に触ったのだが、本人は「(合意の)雰囲気でやった」とし「決してセクハラではない」と釈明しているらしいけれども、やはりどこか疑わしい。警視は県警の課長や大きな警察署の署長になる幹部である。この上には警視正、警視長、警視監があり警視総監となる。警視監は全国で20人近くしかいなく、ここまでくれば最高幹部と云ってもいい▼その警視が万引きとセクハラでは話にもならない。警視庁の成松警視は「魔が差した」と語ったと報道されているが、この壁が犯罪に走るかどうかの別れ道であるのは充分に知っていた筈なのに―それが「万引き」とは情けない。 (遯)
06/06/10