2006年6月9日(金)
ブラジル・ニッポン移住者協会(小山昭朗会長)は日本移民百周年記念祭典協会の支援事業として、「21世紀の森つくり、全伯植樹キャンペーン」を準備している。全伯百団体から協力してもらい、桜やイッペーも含めて合計五万本を植樹するという計画だ。協会内に中央委員会を立ち上げ、年末までにキャンペーンを開始する予定だ。戦後五十周年を終え、新たに百周年に標的を合わせ、活動を本格化させようとしている。
「百周年を機に木をたくさん植えて、世界の環境問題に貢献を」と小山会長は呼びかける。同協会は、戦後移民による六団体が中心になって組織されており、〇三年に戦後五十周年式典を成功させ、記念事業として三年がかりで五千二百本を植樹した実績がある。
「あのときのノウハウをもとに、新たに計画を立てました」と小山会長は説明する。昨年十二月に祭典協会の第三次募集に応募し、今年三月に承認の発表があった。晴れて、百周年のロゴマークをつかって支援事業を展開する基盤が整いつつある。
現在は、アチバイアの黒木農場に依頼して桜の苗を生産中だ。加えて、全伯展開するために必要なパンフレット製作、協力企業や団体集めに奔走している。
以前からの事業を引き継いだ形の植樹委員会(山城勇委員長)、過去に植樹した分のケアを担当する委員会(石川準二委員長)が作業を進めているが、百周年に向けた新キャンペーンのために二~三カ月中に中央植樹委員会を新たに立ち上げる見通しだ。
キャンペーンの中で、地方にある五百日系団体に呼びかけ、地方植樹委員会を組織してもらう予定。全伯で百団体に参加してもらい、三百から五百本を植樹してもらえば、三万本から五万本が可能になると推計している。「土地がないなどの理由で三十本とかいう場合もあるでしょう」。
戦後五十周年の実績を踏まえ、「まあ、一万本を超えたら十分成功です」と小山会長はいう。
日伯を象徴する桜とイッペーを中心に、各地の植生、自然環境を尊重した樹木を植える。
中央植樹委員会は地方の委員会に桜の苗や、パンフレットなどのキャンペーン関連グッズを販売して運営経費を捻出。地方に対し専門家を派遣して、植樹のノウハウ、植樹後の手入れ法を伝授することを検討している。
地方委員会では、一本百レアルぐらいで協力者に購入してもらい、それを自身の活動資金に当てる。
小山会長は「地方とサンパウロが手を取り合って、ひとつの目標を達成する。これこそ百周年の事業としてふさわしいのではないでしょうか」と力説。「なんとか今年中にキャンペーンを開始し、来年から植樹をはじめたい」と抱負をのべた。