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大統領の犯罪を告発=弁護士会=検事総長へ捜査要請

2006年6月7日(水)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙六日】ブラジル弁護士会(OAB)のブザト会長は五日、ルーラ大統領の犯罪の告発書と捜査要請書をソウザ検事総長に提出した。
 同要請書では、大統領を捜査する理由として三つが挙げられている。一つはGamecorp社事件。大統領の息子が共同経営者の同社は二〇〇五年、公的資金が投入されているテレマールから五〇〇万レアルを受領。有価証券取引委員会(CVM)に取引を通知しなかったことをOABは問題視する。
 もう一つはミナス・ジェライス銀行(BMG)への便宜。〇四年、連邦職員へのコンサイン融資(給与天引きで返済する個人向け融資)をBGMに認める大統領令に大統領が署名したわずか十三日後に、同行が社会保障院と提携。BMGはヴァレーリオ氏が裏金を調達した銀行であることが後に判明した。
 最後に、政権維持を目的とした裏金による議員買収や、労働者党(PT)の選挙資金を裏帳簿から捻出したことに、ジルセウ前官房長官を始めPT幹部が関与した疑いがあるにもかかわらず、大統領が捜査対象から外されていること。OABは大統領の除外を「許し難く、説明不能」としている。
 OABの連邦審議会は五月八日、下院への大統領弾劾要請を見送る代わりに、同告発書の提出を決定していた。大統領の犯罪捜査は連邦最高裁(STF)だけが可能で、今回の告発は検事総長が最高裁に捜査を促すよう後押しする形となった。大統領府は五日、告発書についてのコメントを避けた。