2006年6月3日(土)
【エスタード・デ・サンパウロ紙二日】ベルナルド予算管理相は一日、暫定措置とされた小切手税(CPMF)を、廃止予定となっていた二〇〇八年から恒久税とする考えを明らかにした。〇六年は大統領選があるため上程はしないが、次期政権で一連の改革案に盛り込まれるものとみられる。小切手税は、脱税阻止に不可欠の道具とされている。現行税率の〇・三八%は、今後十年以内に単なる脱税探知機となるまで段階的に減率される見込みと同相は述べた。また、国家予算の二〇%を政府裁量で執行できる制度(DRU)も恒久化される見通しとなった。
小切手税徴収のお陰で納税者の台所が丸見えとなり、脱税防止と税収確保に役立った。小切手税は象徴的な意味の低率まで減税し、台所の見張り役として恒久的に残すのが予算管理相の考えだ。
次期政権は〇七年早々、小切手税恒久化に着手し、また同時に、赤字続きの社会保障院と税制の早期改革も要求した。赤字の本山である社会保障院の改革は、政治危機のため忘れられた。だから大統領選が終わり次第、忘れないうちに決行すること。
次期政権が十年間にわたって四%の経済成長率を維持するためには、改革予定表を作成し、強行軍を編成しなければならない。公共債務を削減するため、引き続き財政黒字四・二五%を維持する必要がある。それは公共事業への投資を継続しながら行うため、基本金利を引き下げるよりも苦行となる見込み。
中央銀行が三十一日、基本金利を〇・五%引き下げ、一五・二五%としたのは正解であったと同相は評価した。基本金利は近日中にも一九七五年以来の低率金利となる。ブラジルは、奇跡的にインフレ率を上回る経済成長率を達成する。
これは中銀による通貨政策が当を得たため、交響楽の指揮が素晴らしかったのだ。〇六年第1・四半期における成長率一・四%増を踏まえると、年率で四・五%の成長は達成すると同相はみている。
為替変動は、米ドル通貨が世界主要国の通貨に対し償却を行っている証拠と同相は見る。ブラジルは経済の基礎が良いのでレアル通貨の高騰を呼んだが、為替政策の変更は不要と述べた。しかし、為替政策の近代化は必要という。為替法を近代化するには良いオプションであるが、為替政策の変更ではない。
レアル通貨の高騰が多くの輸出産業を窮地に追い込んだのは事実であると同相は認めた。その反面、為替のお陰で外国からの投資を大量に呼び込んだ。過去一週間の金融変動へのブラジルの対応は申し分なかった。ブラジルの外貨準備などファンダメンタルスの良さが改めて証明された。
中銀は一日、基本金利の引き下げに乗じて消費の過熱を促さないよう警告した。ブラジルが為替の変動相場制を採用したのは、南米大陸の経済成長が目的で、世界経済のためではないと中銀はいう。安価な輸入品に飛びつき消費が過熱、インフレが再燃すると、通貨政策の歯止めが利かなくなり財政や雇用に支障を来たす。低率インフレは、経済成長と所得増加を約束するものだと忠告した。