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BAND-TV=百周年の特別週間を企画=4月にNHKと放送提携=サアジ会長「日本移民はブラジル変えた」

2006年6月1日(木)

 日伯のテレビ局で初めての本格的な提携が、このたびNHKとバンデイランテス・グループの間で行われた。四月十七日、同グループのジョアン・カルロス・サアジ会長が訪日したおりNHKを訪れ、大枠で合意した。
 提携の主な内容は、お互いのニュース映像を一定の枠の中で自由に使うようにするもの。これにより、日本に関する映像がバンデイランテス局(13CH)、バンジニュース(二十四時間ニュース放送)、バンジスポーツ、レージ21などのグループで頻繁に活用されることが可能になった。
 テレビ・ラジオ放送局ブラジル協会サイトによればサアジ会長は訪日時に、小泉純一郎首相を表敬訪問。「ブラジルの持つ、日本との大きなつながりに関した大変重要な会見だった。今回の提携をもって、より国際的なNHKの番組制作を小泉首相にお願いしたい」とその印象を語った。
 バンデイランテス局サイトにはこの件に関し、さらに突っ込んだサアジ会長のコメントが掲載されている。「国際ニュース配信会社の手にかかるとブラジルに関しては、悪いか貧乏な話しか伝わらない。逆に日本のニュースは地震だ。これじゃお互いの観光客を呼ぶことにはつながらない。この提携により、両国間には余計な手を経なくても直接やり取りできるようになる」と意義を語る。
 同局サイトには、バンデイランテス・グループは日本移民百周年に投資すると明記されている。〇八年に日伯特別週間を企画し、さまざまな番組を計画したいと考えている。
 同会長がNHKに提案しているのは、お互いに制作した番組を放送しあうアイデアだ。「NHKはこの特別週間にブラジルから直接ニュースを流し、こちらで我々は日本の映画やドキュメンタリーを放送する。さらに日本のデカセギ生活のルポルタージュや、日本での成功談を取材するのはどうだろう。その間、ブラジルの番組をNHKでは放送する」と推薦する。
 日系人に関してもサアジ会長は高い評価をする。「日本移民はブラジルの歴史を変えた。ここには日本国外で最大のコロニアがある。二国はその根本で自然な同盟関係にある。ブラジルの発展に寄与する日本移民の例にはこと欠かない。セラードを開発して大作物輸出基地にしたこと、チエテ川環境改善事業などもその好例だ」。
 昨年来、サンパウロ市モルンビー区の同局内に事務所を設置しているNHKサンパウロ支局の中島昇支局長も「ありがたい申し出」とし、前向きに検討する意向。「具体的になにができるか、これから詳細を考えていきたい」と語った。