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PT、W杯ムードに便乗=大統領を抱き合わせ宣伝=事前運動で選挙法に抵触

2006年5月31日(水)

 【エスタード・デ・サンパウロ紙三十日】来週に迫ったサッカーのワールドカップに向けて国民の関心が高まっているが、労働者党(PT)サンパウロ市支部がそれに便乗し、選挙法違反を行ったことが明るみに出た。
 同党支部はワールドカップの組合せなどの関連記事を記載したパンフレットを作成、同時にルーラ大統領とPTを賞賛する宣伝文句を盛り込んだ。このパンフレットを二十九日に市内の技師労組会館で行われたメルカダンテサンパウロ州知事候補を支援する決起集会で配布した。
 会場の入口にはパンフレットが山積みされた。パンフレットの表紙はワールドカップ2006の上に「ボールのショーを演じるルーラ」のタイトルがつけられた。
 さらにワールドカップではベストメンバーが揃い、我々は勝ち抜いていくために応援するとした上で、国内においてはチームを構成するのは我々で後戻りは許されない、ルーラを再選させて将来を構築しなければならぬとしている。これに加え、これまでの施政の記録、とくに雇用、貧富の格差縮小、社会福祉、最低賃金の改善の業績を紹介している。
 選挙法九五〇四号三十六条では今年の選挙公示日である七月五日以前のいかなる事前運動も禁止していることから、これは明らかに選挙法違反となる。違反の提訴はいかなる政党あるいは検察当局により可能となっている。
 罰則は二万レアルから五万レアルの罰金で、パンフレット代がこれをオーバーした場合は実費相当分となる。また候補者が事前に察知していた場合、候補者にも同様の罰則が適用される。
 PTのサンパウロ市およびサンパウロ州支部長は関与を否定、パンフレット作成および配布を承認した覚えはないとして、すべて回収するように指示した。候補者陣営も知らぬことだと当惑している。