ホーム | コラム | 樹海 | コラム 樹海

コラム 樹海

 日本の暴力団にはじまり中国の蛇頭やマフイアなど犯罪集団は多い。だが―PCCのように警察と真っ向から対決し銃撃戦を展開するような組織は少ない。武器は拳銃だけではなく、自動小銃もあれば機関銃もある。手榴弾と小型のバズーカー砲も持っているし、その攻撃精神はなまはんかのものではない。そのグル―プが数十組で警察署や銀行を襲撃し銃撃するのだから堪らない▼この麻薬ギャング団の構成員は10万とも12万人ともされはっきりしないが、その実力のほどは驚嘆せざるをえない。12日から始まった暴動での死者は166人を超えるし、オニブス85台をも焼き払って市民の足を奪い、メトロの運行を止める凄さである。警察官は40名近く殺されPCC側のメンバ―は110人超が殺害されている。刑務所での暴動も惨憺たるありさまで囚人9人かが死亡している▼これでは商店街が扉を閉めるのもやむをえない。日本からの進出企業も昼過ぎから社員を帰宅させ、夜間外出を禁じ安全第一を心がけたのは評価していい。勿論、しかし―とは思う。2000万人の大都市が、麻薬組織の暴力に屈し機能が停止していいものか―である。警察がギャング鎮圧に成功はしたけれども、もっと治安当局は市民の安全に目を向けてほしい▼もし、同じような暴動が東京で起きれば―。なにしろ、一連の襲撃と銃撃は300件、170人近くが次々に殺されるのである。多分、警視庁の機動隊だけでは対処が困難になり都民はパニックに追い込まれ大混乱するのは間違いない。     (遯)

06/05/23