2006年5月19日(金)
【エスタード・デ・サンパウロ紙十四日】テレビ業界がブームを迎え、空前の活況を呈している。今年がサッカーワールドカップの開催年のため、テレビの売上増が予想されていたが、それを上回る需要増でメーカーや商店筋では鼻息を荒くしている。
ワールドカップに加え、月賦販売の長期ローンの積極販売が功を奏している。長期ローンは単に小売店が設定しているのではなく、メーカー側も金利抜きの分割払いに応じており、小売りとメーカーが一体となって売らんかなの姿勢を打ち出しているのが特徴となっている。さらに加えてレアル高ドル安の為替相場による部品の輸入品が安くなり、コスト低減につながったことで、その分を価格の値下げに反映させたのも売上増を後押しした。
為替相場の変動で大型テレビの部品輸入によるコストダウンは一七%に達した。とくに最近人気が急上昇し、市場の二五%を占めて二〇インチに次ぐ売上となっている。二九インチ型は昨年一三〇〇レアルだったのが、現在九九九レアルで売られている。小売り側では一〇〇〇レアルの壁を破ったのは意義が大きいとしている。
昨年生産が始まったプラズマテレビは組み立て生産が多く、部品の輸入度が高いため、価格も大幅に減少した。四二インチ型は九九九九レアルだったが、現在は二五%引きの七九九九レアルで売られている。
テレビメーカー協会では、今年の売上を一〇八〇万台と予想、一九九六年に八六〇万台を売って以来の十年ぶりのブーム再来とみている。センピ東芝は「近年まれにみる売上増」だとして、今年四カ月間で昨年同期比テレビが八〇%増、オーディオが倍増、DVDが三〇%増になったとしている。韓国資本のLGも三〇%増となっている。