2006年5月18日(木)
PCC(州都第一コマンド)の襲撃事件を大統領選の宣伝材料に使おうと労働者党(PT)とブラジル民主社会党(PSDB)が水掛け論を展開している。一方は政府の公安対策不在を突き、他方はサンパウロ州政の脆弱さを訴える。しかし、市民の生命保全を忘れた政治論争は逆効果という意見もある。公安問題は国の責任か州の責任かで意見を二分する。選挙運動が始まったら、テレビでPCC幹部によるアウキミン前知事殺害命令の録画が公開されるらしい。
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サンパウロ市民らが警察署襲撃事件の拡大を恐れた十五日、普段の月曜日より固定電話の通話は三〇%、携帯電話は一七%、インターネットの利用は一〇%増加。
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連邦警察は押収した書類を元に救急車汚職にさらに八人の国会議員が関与したと発表、すでに捜査対象となっている十六人に加えた。
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連警は十六日、サンパウロ市ジャルジン・パウリスタ区やイタインビビ区、モエマ区などで麻薬密売と資金洗浄を行っていた国際的犯罪組織のメンバー十人を逮捕した。犯人らは宝石商や画廊、レストラン経営者らを装って暗躍。コロンビアやアルゼンチン、米国の警察当局が捜査に協力した。
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一九八〇から九〇年代にかけて社会保障院(INSS)から三〇億レアル以上を横流しし、資金洗浄を行っていた疑いで四人が十六日、連警に逮捕された。捜査は二年前に開始され、連邦検察庁や国税庁、INSS監察局が協力。INSS職員や判事、弁護士が加わった犯罪グループは横領した金をタックスヘイブンのヴァージン島を経由させ、不動産投資の名目でブラジルに還流させていた。