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2転3転のボリビア大統領=ペトロブラスも負けじと対抗

2006年5月17日(水)

 【フォーリャ・デ・サンパウロ紙、エスタード・デ・サンパウロ紙十六日】ボリビアのモラレス大統領は十五日、エネルギー資源国有化をめぐり再びブラジルに対する態度を硬化させ、ペトロブラス(石油公団)がボリビアに行った投資に対しボリビア政府は損害賠償を行わないことを明らかにした。しかし、ボリビアにあるペトロブラスの施設に対する賠償については、監査局の判断によるとした。
 ペトロブラスは協力者であると十二日には一旦ブラジルに対する強硬な姿勢を翻した同大統領だが、再び態度を硬化させたかたちとなった。フランスのストラスブーグで開かれたヨーロッパ議会の場では、いかなる企業もすでに投入した投資を回収する権利があると発言したが、後の記者会見でペトロブラスの投資はすでに回収されていると述べた。
 一方、ペトロブラスのガブリエリ総裁は十五日、今回のボリビア危機により、天然ガスの自給体制実現の重要性が明らかになったとして、天然ガスの生産と輸送能力を高めるための投資を拡大する可能性を示唆した。現在は二〇一〇年までに一六〇億ドルの投資が予定されている。
 また同日、ペトロブラスのサウエール・ガスエネルギー部長は、ボリビア政府の言い分とは逆に、ガスに依存しているのはブラジルではなくボリビアだとし、仮にガス輸出が途絶えた場合、石油供給と収入が途絶えて困るのはボリビアで、モラレス政権は三カ月以内に崩壊すると強気の発言を行った。