アグリビジネス

2006年5月17日(水)

 国立農事試験場(Embrapa)は、これまで蓄積した技術を応用する新分野を開拓したいと投資家を募っている。公的資金の交付だけでは、研究活動に限界があるという。まず候補に挙がったのがアグロ・エネルギー。投資の安全確保で同プロジェクトに社会経済開発銀(BNDES)と伯銀、ペトロブラスが参加する。ヴァレ・ド・リオドーセは既に名乗り出ている。次はゲノム工学である。
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 口蹄疫の発生でブラジル・パラグアイ国境を挟んで二つの村道が平行して存在している。かつて両国の牧牛が自由に往来していたが、いまは牛の姿もなく牧草は繁茂し放題である。農場の住宅は住人もなく空家が目立っている。
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 米国では六月のハリケーン・シーズンが近づき、ブラジルのオレンジ・ジュース業界がブームを密かに期待している。ニューヨーク市場のオレンジ・ジュース先物相場は過去十二カ月、累計で六六%も上がった。フロリダ産オレンジ・ジュースは二〇〇四年、ハリケーンで被害を被った果樹の初出荷で数量は多くを望めない。国際在庫も少なく、高値推移が続く。
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 リオ・グランデ・ド・スル州に総額で二億二〇〇〇万レアルがエタノール精製所建設に投資される。大豆栽培の転向組が、精製所第一号をサンルイス・ゴンザガに竣工する。同州が毎月消費するエタノール五〇〇〇万リットルを自給する計画だ。同州の海岸線と北西部がケン(さとうきび)の栽培地帯になる。