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コラム 樹海

 アマゾニア日伯援護協会(パラー州ベレン)の〇五年度事業・決算報告書、〇六年度事業計画・予算案を見た。感心させられ、驚いたことがあった▼一つは、〇五年のスタート時。役員選挙の年だったが、候補者が定員に満たず、急ぎ定款を改正して、理事会定員を十五人から九人に縮小して構成した。発足が五月にずれ込んだ。経営が楽でなく、苦労ばかり多いボランティア仕事だ。なり手が少ないのだと理解できる▼協会の事業規模は、収支ともに千九百万レアルほどである。〇五年度は、苦しいやりくりの中、決算は黒字だった。〇六年も六十五万レアルの黒字を見込んだ均衡予算。そして、事業計画案の結びは「計画のすべては、自己資金調達内で実施する」▼これは、過去の反省を踏まえているようだ。〇五年度は、BNDES(社会経済開発銀行)の長期借り入れ金(新病棟建設費)とほかに回転資金の短期借り入れ金の返済をかかえていた。前者は内部基金を一時借用して元利を返済、後者も半額返済と実績を残した。縮小された理事会は職員給料、医師謝金の遅延の正常化も課されていたが、これもしのいだそうだ▼候補者が定員に満たなかった小さな理事会としては、背負った重さを感じたことだろう。以前、北伯の日系コロニアは南伯よりJICAの恩恵が多いといわれたことがあった。ベレンの援協とあれば、助成も多かろう、と推察されるが、これは当たっていない。だから、事業は「自己資金調達内」なのである。(神)

06/05/17