2006年5月16日(火)
【フォーリャ・デ・サンパウロ紙十三日、十四日】ペトロブラス(ブラジル石油公団)を密輸業者呼ばわりするなど、エネルギー資源国有化をめぐりブラジルを痛烈に批判したボリビアのモラレス大統領は十二日、態度を一変させて前日に行った自身の声明を撤回し、ルーラ大統領は同胞、ペトロブラスは協力者であると記者会見で述べた。
「時おり一部マスコミがルーラ大統領との争いを目論んで、虚偽の報道を行うことがあるが、争うことはありえない」と、モラレス大統領は前日の批判報道をマスコミの責任とした。ペペトロブラスの密輸業者発言については、石油会社が税金を払うかどうか調査すると述べただけで、ペトロブラスについては言及していないと述べた。また、スペイン系石油会社レプソルも協力者であると前日の評価を裏返した。
モラレス大統領の批判を「侮辱」とみなしていたブラジル政府は同大統領の態度軟化を前進ととらえ、両国が対話に戻る条件が整ったとブラジルのアモリン外相は評価した。
ウイーンに到着したルーラ大統領は十四日朝、モラレス大統領とホテルで朝食をともにし、ボリビアとの協調と南米統合を擁護する以上頭に剣を置かれたくはない、またボリビア問題によりブラジル国内で政治的に高い代償を払っていると不満を露にした。しかし、モラレス大統領の登場と選挙公約だった国有化はボリビアにとって非常に重要であり、両国間の緊張の高まりは「煙が多い割に火は小さかった」と会談後に簡潔にコメントした。